-或る英雄の詩-
Official Lyric MV
月が翳り、長い争いの中で光を失いつつある国があった。
その国には、白銀の鎧を纏い、人々を守り続けるひとりの聖騎士がいた。
どれほど深い傷を負っても、彼は人前で苦痛に顔を歪めることはなかった。
悲しみに暮れる夜も、すべてを投げ出したくなる朝も、民の前に立つときには傷を隠し、いつものように微笑んだ。
人々が明日を信じられるように。
子供たちが怯えることなく眠れるように。
愛する者たちの笑顔が絶えることのないように。
やがて人々は、そんな彼を「PALADIN」と呼ぶようになった。
けれど、彼は生まれながらの英雄ではない。
幼き日には、果てなく広がる空を見上げ、何ものにも縛られず吹き抜ける風に憧れた、ひとりの少年だった。
胸に抱いていたのは剣ではなく、小さな夢。
まだ見ぬ世界への憧れを詩に変えて、少年は幾度となく夜空へその声を響かせた。
やがて少年は成長し、守るべき者たちと出会い、剣を取った。
ひとつの灯を守れば、またひとつ。
ひとりの願いを背負えば、またひとり。
歩みを重ねるほど、その身体には誰にも見せることのない傷が増えていった。
それでも彼が守り続けた小さな希望は、いつしか多くの人々を照らす光となっていた。
かつて共に咲き誇る薔薇のように誓いを交わした仲間たち。
遠く離れてしまった者。
守ることのできた命。
そして、もう二度と届くことのない祈り。
そのすべてを胸に宿し、白銀の騎士は今日も大地を踏み締める。
たとえ傷だらけになろうとも。
たとえその苦しみを誰にも知られることがなくとも。
自分が立ち続けることで、誰かが明日を信じられるのなら。
自分の掲げる光が、誰かの暗闇を照らすのなら。
彼は何度でも立ち上がり、再び人々の前へ征く。
――「PALADIN」は、そんな聖騎士の姿を描いた物語。
そして同時に、その白銀の鎧の向こう側には、
それぞれの傷や葛藤を胸に秘めながら、それでも誇りを失わず、人々の前に立ち続ける者たちの姿を重ねている。
喝采の裏側に何があったとしても。
その日、そこへ辿り着くまでにどれほど険しい道を歩いていたとしても。
幕が上がれば、再び自らの光を掲げる。
-誇りを持ち、ステージに立ち続けるすべての者たちへ-

幻想の吟遊詩人。民族音楽×ヴィジュアル系×J-POPの幅広い音楽性と、高い物語性で聴く者を幻想世界へ誘う。1st Album「幻想紀行詩 -アリアステラ-」。